打ちっ放しコンクリートは表面をそのままの状態で露出させるので、ひび割れやカビなどの劣化症状が目立ちやすく、お悩みの方も多いかと思います。
そこで今回は打ちっ放しコンクリートに現れる主な劣化症状とメンテナンス方法についてお話します。
打ちっ放しコンクリートが劣化しやすい理由
コンクリート自体、化学材料で作られたものであるので、周辺環境によって少しづつ変化します。
しかし、打ちっ放しコンクリートはさらに性質が変化しやすい特徴を持っています。
なぜなら、打ちっ放しコンクリートは通常のコンクリート施工と違い「表面仕上げ」というコンクリート表面の保護作業をせずに、型枠を外した状態のままコンクリート地肌を露出させているからです。
また、打ちっ放しコンクリートは美術館やレストランの内装などのデザイン性の高い建築物に使用されることが多く、表面の劣化は機能だけでなく美観においても大きな問題となります。
主な劣化症状
ひび割れ
ひび割れは最も頻繁に起こる劣化症状の一つです。原因は様々ですが、「乾燥収縮によるひび割れ」が最も一般的な原因です。空気が乾燥すると打設されたコンクリート中の水が時間の経過に伴って蒸発し、コンクリートの体積が減少するため収縮します。それが原因で表面のコンクリートにひび割れが生じます。
カビ
カビもコンクリートのよくある劣化症状の一つです。原因としては、日当たりが悪かったり湿度の高い場所でコンクリート表面に水分が残り、それがやがてカビになります。
経年劣化
上記の乾燥収縮によるひび割れやカビを防げたとしても、コンクリートは長時間の経過によりどうしても劣化症状が表面に出てきてしまいます。外部からの衝撃で表面が剥離したり、中性化により内部の鉄筋が錆びて膨張することにより表面にひび割れが発生することがあります。
打ちっ放しコンクリートのメンテナンス方法
撥水剤による表面保護
深刻なダメージがないコンクリートでは、撥水剤の塗布だけでも効果的です。撥水剤はコンクリート内部に水分が侵入するのを防ぐので、ひび割れやカビなどの劣化症状を予防するのに大変効果的です。
カラークリア塗装による表面補修
カラークリヤー塗装とは、表面の汚れを高圧洗浄で除去した後に撥水剤を塗布し、その上から表面を保護するための「クリヤー」を塗装する方法です。
カラークリヤー塗装は打ち放しコンクリートの色調を整えてくれるので、色ムラ部分のタッチアップ補修材として有効です。通常は撥水剤の上から塗装するので、費用は撥水剤のみのメンテナンスより高くなります。
コンクリート描画工法
撥水剤やカラークリア塗装は劣化予防や一時的な補修には有効ですが、劇的な美観向上とはなりません。見た目の美観を再現したい時には「コンクリート描画工法」をご紹介します。
コンクリート描画工法は、特殊なスポンジを使用して、コンクリートの模様を自然に再現する工法です。上記2つの撥水剤やカラークリア塗装と違うのは、出来が職人の腕に左右されるということです。マニュアルなどはなく、職人の経験や力量に頼ることになるため、初心者の方が自分でいきなり作業するのはおすすめしません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
コンクリートは時間の経過で劣化が発生しやすく、美観や機能を保つためには主な劣化症状とそれに対するメンテナンス方法を知っておく必要があります。この記事がどこかで役に立てたら幸いです。
↑こんな感じで日々全国の打ちっ放しコンクリートの施工に携わっています。
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